「黒大好き」 『私は白が好き』 「うん、そんな感じだな」 『そう?』 「なんか、天使みたい。すぐ消えそうだし」 『天使だって。神崎さんかーわいい』 今日何回目だ、こうしてからかわれたの。 何も言わずに立ち上がって、ベランダに出た。 暗黒色の空が、高くて。いろんな嫌なことを全部忘れたくなる。