ベランダの側の窓。 いつもの場所で、一本だけ煙草を吸った。 気持ちは少しも落ち着かなかったけれど、怖がってばかりいてもダメだという気持ちにはなれた。 握った封筒を開封する。 中には紙が一枚入っていた。 杏奈の綺麗な字が並ぶ、手紙。 こんなにも、繊細な字を書く女だったんだ、と現実逃避。