家の前まで杏奈を送る。 明日は出かけるから今日は泊めてあげられないの、と彼女はとても申し訳なさそうに言った。 「別にいいよ、そんな気にしないでも。またいつでも来れるし」 『…うん、』 「じゃあな。寝ろよちゃんと」 杏奈の頭を撫でて、踵を返す。 刹那、背中に強い衝撃を感じた。 少しよろめいて、ゆっくりと、振り向く。