ちなみに私は笑われるのは別にかまわないけど、まだ処女だ。

付き合った人とは、本当に、何もしないで(手をつなぐことさえまともにしないで)別れたのだから。

「家に帰りたくないの?」

「うん、別にいいの。家の犬たちには会いたいけど、おかんに会いたくないから。ウチが家出する直前、おかん再婚しそうだったから、もうしてるかも」

そんな話をしていたとき、番台のおじさんが

「もうすぐ閉店しますよー」

と声をかけてきた。

「あ、はーい」

気がつけば、時間はもう夜中の1時。

私たちはあわてて銭湯を出て、私の家に帰ってきた。