「でも、半年くらいたって、タバコ吸ってんのみつかって、学校停学になって、その後もずっと行かなくなって」

私は食べ終わったアイスの棒を口の中でもてあそびながら彼女の語りを聞いていた。

「で、もうやめようと思ったんです。ガッコ。

ウチ、思ったらすぐに行動するタイプなんで、次の日にガッコ行って、やめるって、言ったんです。そしたら、先生がやめないで、って、ウチにまで説得に来て。

でもウチはもうやめるの決めてたから、それもずっと無視して、家に帰らなくなったんです」

「って、そこでどうして家に帰らなくなるんだ」

「家も嫌いだったんですよ。ウチ、お姉ちゃんと弟がいるんだけど、二人は長女と長男だから大切にされてて、ウチだけ全然適当に扱われてたんだよね。

本当に、虐待だろ、ってくらい、悪いことするとすぐ手が出て。

あ、ウチの親もリコンしてるんで、母親の記憶しかないんだけどね。でも、高校生になっても、結構殴られてて」