「美波」 稜樹があたしの胸に顔をうずめたままささやいた。 「なに」 「なんでもない」 不安げにあたしを見る瞳。 日に日にその瞳が弱っていくように感じる。 そう。 あたしにはまったもので 生きていたやつはいない。 はまりすぎて 疲れて そのうち病気になる きっとあたしのからだはのろわれてるんだ。