「姫様、どうしてあのような流れ者なんかと、仮であれ融合なされたのですか?」

 雨守が、悲しそうに嘆いた。

 「あのものも、勇気を振り絞りたった一人で宮殿に乗り込んで
  きたのですよ。 そのまま、見殺しにするなんて私には・・」

  
 「姫様の、お優しいお気持ちは分かります。 ですが、あの者が忍び込んで
  以来、宮殿はざわめいております。
  それに、仮の融合でもなさったということはですよ!
  今回、それを見送られた場合、本融合し天使はお一人しか
  授かることが出来ませんよ!」


  「分かっております。」


  「宮殿の危機にもなりかねません。 ご判断を、誤られないでくさい。」



  「分かりました。」