丸太のケーキ

「なぁ、美羽?」


「ん〜?」


すっかりやる気の無くなった彼女の前に座り込んだ。


「もしかして、これのこと聞いてた?」


胸に抱える天板を指差した。


「うん。瞭くん四角だって言った。」


つまらなさそうに答える。

これでわかった。


「あのさ、俺が言ってたのは、こいつの箱の形。要するに、レンジの見た目?」


「……見た目?」


キョトンとして顔を上げた。


「そう。見た目。外見。四角だろ?」


「……………うそ。」


「丸くない……よな?」


「丸く…………ない。」


「で、美羽が聞いたのは、こっち。天板の形。」


「…………………うん。」


ゆっくりとレンジと天板を見比べ、真っ赤になった。