丸太のケーキ

「私ん家のも丸なんだよね。困ったな。」


いやいや、美羽ん家のも四角でしょ?


「もう………瞭くんが四角だって言うからさ……。」


黒い天板を手に、一気にテンションが下がって行く。


「作んのやめようかな。」


どんどん沈んで行く。


「はぁ………。」


溜め息まで出始める。

溜め息つきたいのは俺だっての。

四角だの丸だの叫ぶだけさけんでおいて、俺のせい?

作んのやめる?

天板を胸に抱えながらキッチンの床に座り込んだ美羽。

とりあえず、落ち着いて頭ん中を整理する。

うちのオーブンレンジ。

どこから見ても、誰が見ても四角形。

ここまでは良し。

で……………

え?

美羽の胸ん中の天板が




…………ま…る?