『それにね、陽翔君の病気…御年配の方が、かかる病気で…手術は成功しても、術後の回復が乏しかったり、体の負担が大きくて、生存率が低いんだって☆昨日、看護婦さんに聞いた。…だから、陽翔君は若いし大丈夫よ』

『…ほ…んと?』

陽翔君は、信じられないと言う様な顔で、私を見つめた…私が、コクンと頷くと、フワッと陽翔君が抱き付いて来た…

『良かった…俺…大丈夫なんだ…今迄…凄く怖かった…』

陽翔君は、泣いているのか、少し声が震えていた…優しく背中をポンポンと叩いてあげると、私から体を離し、涙目でニコッと笑った…

『ハハッ…俺、泣いてるし…だせぇ(笑)』

『クスッ…泣ける時に泣いとけ(笑)大人になったら泣けなくなるからさ』


この時、陽翔君の零れる涙を見て、初めて【綺麗な涙】だと思った…
何等偽りの無い…心から零れ落ちた涙…