目覚めた私は、体の怠さを感じた…低血圧じゃないのに…やはり…死期が迫ってるのか…

体の怠さと左手の痺れ…腰痛だけで、気持ちは元気だった…否…元気に振る舞おうと、自分を奮い立たせていた。

少なくとも、陽翔君には、私の苦しんでる姿や弱っていく姿を、見せたくなかった…

陽翔君の中の最期の私は、笑顔の岡部稜子で居たい…そう思っていたのだ。

『フッ…最期まで強がり…でも…それが私の人生よね』


私は、空を見上げた…昨日とは、全く姿を変えた空は、青く澄み渡っていた…

歯を磨こうと、勢い良く立ち上がり、歩き出そうとした時…
スゥゥッと魂が引き抜かれる様な…そんな感覚に襲われた…

……………
『…ん…べさん…岡部さん…解りますか?…岡部さん?』

騒がしい声で私は意識を取り戻した…
あのまま私は、周りのモノをなぎ倒して、気を失ったらしい…
物音で駆け付けた看護婦に起こされた…ようだ。