この日…私は密かに…日記のような手紙を、陽翔君に宛てて書き始めた…
一日一枚…何枚書けるか解らない手紙…書いた所で、渡せるかどうか解らない手紙…

それでも良かった…

私が…岡部稜子という人間が…人を愛せた記録を…残しておきたかった…


きっと陽翔君の目に触れるのは、私が死んでから…

死んだ人間からの手紙なんて…気持ち悪いかしら…

私は、フッと笑いながら筆を進めた…



【9月13日…今日から、日記形式の手紙を、陽翔君に書き貯めたいと思います。目標としては、飾らず偽らず素直な気持ちを、書いて行きたいと思ってます。
今日は雨で、陽翔君に会えないと諦めてたら、陽翔君が病室に来てくれて、凄く嬉しかった。一緒に写真を撮った時、陽翔君が近くて、ドキッとしたのを覚えてます。
こんな、おばさんにときめかれて、陽翔君はきっと、気持ち悪いと思うでしょうね。私自身、自分が気持ち悪いもの…でも、今が…陽翔君が私の初恋なんです。】