…今日は会えないな…

そう諦めた時、病室の扉がノックされた…

【コンコン】
…誰だろう…看護婦か?しかし、検診の時間はまだだし、ナースコールを押した覚えも無い…
不思議に思いながらも、私は返事をした…

『…はい』

『あ…陽翔です…入って良いかな?』


予想だにしなかった事態に、私の胸は、大きく高鳴った…

陽翔君は扉を開け、病室に入ると、ニカッと笑った…

『来ちゃった』ニコッ

『クスッ…看護婦に聞いたの?口止めしとけば良かったかしら(笑)』

『ヒデェ(笑)でも、そうなったとしても、片っ端から【岡部稜子】の病室、探し出すから良いもんね☆』


…何故だろう…何故こんなに、陽翔君の発する言葉が嬉しいんだろう…

今迄、誰かに探してもらう事など無かったからか…