『あと…保って…一週間…』

薄暗い診察室に、主治医と看護婦と私…

私の頭は、意外と冷静に、主治医の話を飲み込んだ…
病名は、何チャラ…とにかく長い名前で、症状は末期中の末期らしい…
この病気は、徐々に症状が現れるも、普段は殆ど痛みを感じない。しかし、突然トドメを刺す様に体を切裂く様に蝕み、命を奪うそうだ…
今回、五年振りに受けた検査で、この病気が発見された…


……………
病室のベッドに戻り、白い天井を眺める…

…私…一週間経ったら、この世から居なくなっちゃうのか…


私には、既に肉親は無く、友人と呼べる人間も居ない…勿論、好きな人も恋人も…


『あぁあ…35歳にして、淋しく独りで死ぬのか…』

ポツリと呟く独り言…

あっちの世界で、きっと両親が待ってる…一週間したら会えるんだね…


そう思うと、死ぬ事に対して、怖いとか未練とか…何も無かった…

むしろ、痛みを感じながら死ぬくらいなら、今すぐにでも安楽死させて欲しい…
しかし、病院の方針か何かで、安楽死は出来ないらしい。