sugar voice





「…お待たせしました」

動きやすい服にしろと言われたので

黒のプリントTシャツにジ-パンというラフな格好に着替えて、外で待っている笹倉さんへ声をかけた

笹倉さんは壁に凭れていた身体を起こすと、私を上から下まで一通り見て一言


「地味だな」

「……これしかなかったんです」

ハッと鼻で笑われ軽く殺意が湧いたが気にしたら負けだと思い、愛想笑いで受け流す

その顔が可笑しかったのか笹倉さんはククッとくぐもった声をたてると、行くぞ、と私の前を歩き出した

「………」

散々人のことをバカにして…

色々言いたいことはあったが、こんな場所で言い合っても仕方ない、というか勝てる気がしない

はぁ…と何度目かになる溜息を吐きながら

何時もより数倍重い足取りで笹倉さんの背中を追いかけた