sugar voice


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「…い……きろ…」

誰だろう

男の人の声が聞こえてくる

「ん…うぅ」

最初は優しく布団ごと揺らされていたが

段々と強く揺れてくる身体に次第に意識が浮上してくる

誰だろう…こんな時間に

なかなか目が開けられず、あーだとかうーだとか言葉にならない声をあげていたら、上からチッと舌打ちする音が聞こえてきて

「おい起きろこのクソガキ‼」

「わっ…ぷ‼」

痺れを切らした男は勢いよく布団を引っ剥がし、私はベッドから転がり落ちた

「いった…いなぁ…」

暫く床と熱烈なチュ-をしたあと、ゾンビのようによろよろと起き上がる

徐に顔を上げれば目の前には布団を肩に担いでハァ…と溜め息をつく笹倉の姿があった

「あれ…笹倉さん?どうしてここに?」

そこまで言ってハッとする

あ、ヤバイ

笹倉さんの顔がみるみるうちに曇って行く

「…朝迎えに来るって言っただろうがこのド阿呆。ノックしても出て来ないから社長にスペアキ-借りて態々起こしに来てやったんだ感謝しろこのド阿呆!」

「…ド阿呆って…二回も言わなくてもいいじゃないですか」

「あ゛?なんか言ったか?」

「…何でもないです」


小声で言ったのにしっかりと聞き取った地獄耳の笹倉さん

小さい子供なら泣き出しそうな絶対零度の笑みを浮かべられ思わず顔を引きつらせる

「…ったく、10分待ってやるからさっさと着替えて出て来い。一秒でも過ぎたら死ぬと思え」

笹倉さんはそこまで早口でまくしたてると、布団をそこら辺に放って部屋を出て行った



「………」

そっか、今日から笹倉さんの奴隷…いや助手として働くんだった

「…よしっ‼」

パンッと両手で自分の頬を叩いて気合を入れると、顔を洗いに洗面所へ向かった