sugar voice


なんというか…

仮眠室とは名ばかりで、まるで高級ホテルのような場所でした

社長の趣味なのか無駄に煌びやかな装飾品が至る所に飾られてあって

横幅をゆったりと取った廊下にずらりと並んだドアの数に改めてこのビルがどれだけ大きいのか窺える

暫く笹倉さんの後をついていくと、ある一つのドアの前に立ち止まった

真っ白なドアの中央より上に埋め込まれてあるプレートにはご丁寧に架山菜月とローマ字表記されてあった

「ここがお前の部屋だ。必要なものは大体揃っている。今日はビル内なら構わんがあまりうろちょろするな。飯はル-ムサ-ビスにしろ」

「はぁ」

遠回しに今日は動くな、面倒だからと言いたいんだろうな…

苦笑しながらコクリと頷けば、笹倉さんはふんっと息を吐いたあと明日は8時に迎えにくると面倒臭そうな顔でそう言い残し、まだ仕事が残っているのか足早にこの場を去っていった





「…さて、と」

とりあえず中に入ろう

そう思い、先ほど笹倉さんに教えられた通りにドアの直ぐ横にあるカードを認証する機械にカードをスライドさせると

ピッという音と共に鍵の開く音がして、思わず感動したが、どこの田舎者だと恥ずかしくなりさっさと中に入る



入室後、すぐに仮眠室とは思えない豪華さにそれ以上の驚きを与えられることになるとはこの時の私は露とも知らなかったのだった