「なぁ、今から俺んち行く?」


「行かなぁい。」


「行こうぜ?」


「仕事です。今日も頑張りましょ?」


俺の両の頬をむぎゅっとつまみ、にっこり。


「じゃ、今夜、えっと何時に」


「撮影、終わる?」


「………さぁ。」


一向に離す気配のない両手。


「終わったら電話して良い?」


「うん。待ってる。」


つまんだ両手をそっと包む。


「うん。待ってて。」


そっと触れる美羽の温もり。

久しぶりに触れた優しい温もり。


「やっぱ、俺んち」


「行かない。」


「大好きなのに?」


「大好きなのにね。」


始まった二人の時間。


大好きな君と、優しい温もり。


見上げる空は同じだから。


だから、明日も一緒に。





-fin-