「こわいか?優しいだろ?」


いつもの優しい笑顔に。


「俺、帰って良いの?」


「おぅ、帰って良いぞ。しばらく外出禁止だぞ?弁当の君ともしばらく我慢だ。わかったか?」


にやりと笑って席を立つ。

口に含んだコーヒーを吐きだしそうになる俺に、更に追い討ちをかける。


「えらい可愛い弁当らしいじゃないか。明日から、俺が作ってやろうか?」


「結構です。失礼します。」


慌てて言うと、社長とマネージャーがげらげら笑いだした。


「そっちに矛先が向いたら困るだろ?しばらく我慢だからな?」


部屋を出ようとする俺の背中に届く社長の声。


「はい。俺もプロですから。」


社長が笑顔で頷いた。