ドアを開けると、スーパーの買い物袋を手に提げている隆盛が居て、ニカッと笑っていた。


「……なんでそんなに笑顔なの?」

「や?なんか楽しくて。」
「は?なにが?」

まぁ、一応こきを使っている訳で、いい気なんてしないはずなのに…

「美香が弱ってるところ見れるなんて楽しいじゃん。」


「死ね。」


「あれ?そんなこと言っていいの?美香の好きなバナナ買って来てあげたのに。」

隆盛はわざとらしくシュン…てして、腹が立ったけれど、猿並にバナナが好きなあたしは家に上げる事にした。


「おっじゃまおっじゃまーおっじゃましまぁーすっ!」

「うるさい!頭に響くわ!」


ぺちっと頭を叩いて、スーパーの袋をひったくり、バナナを取った。



一個取って皮を向く。


「で?俺は何を作ればいーの?」

「お粥。」

「無理。」

「…は?」

「えーと…うどんでも良い?良いよな。」


と言い、あたしは返事をしてないのに自問自答していた。

そして、キッチンに向かって行った。