啓介の携帯を見た事がある。
ダメだと分かっていたけれど、やっぱり見てしまった。
女のメモリが20人ほど。
メールの内容は怖くて見れなくて。
でもそれで初めて浮気を知ったんじゃない。
その1週間前の事。
バイト先から自宅への帰り道だった。
帰りが遅くなって、早く休みたいあたしは、いつも大通りを通っていたけれど、近道のホテル街へと足を進めた。
派手なライトに目をちらつかせながらも、早足で足を進める。
けれど、、
足が止まり、あたしの目の先には、啓介と啓介の体に巻き付く女。
その二人が出てきて、あたしの帰り道へ進んで行った。
あたしに気付く事無く。
二人で。付き合っているかのように。体を寄せあって。