「美香ちゃん、大丈夫?もう帰った方が良い。」
知り合いのバーの前。店長の末木さんが店から出てきて、あたしの肩を擦りながらそう言った。
…この場所にはもう二時間程居る。
季節は12月。雪が降りそうな雲に、北から吹いてくる冷たい風。
それに、久しぶりのデートだからと言って、普段余り履かないミニスカートだった。
ジーンズでこれば良かったとこの二時間何度思った事か。
この様子じゃ風邪をひきそうだ。
大体、一ヶ月ぶりのデートだと言うのに、啓介は何をしているのか。
こんな時間、こんなところで女一人立たせて、しかも用事が出来ても連絡一つしない。
最初は事故にでも合ったんじゃないかと思ったけれど、
それよりも確率高い理由をやっぱり頭に浮かんだ。
最近酷い啓介の浮気。
女を変えて、とっかえひっかえ。