「…どうかした?」 そう言って立ち上がった彼の姿は、昨日出会った電車の人ととても似ていた。 そう、すごく似ているだけだった。 「………髪型が違う」 昨日見た彼は、サラサラの黒髪。 すごく爽やかな雰囲気が出てる。 でもこの人は… 金髪に近い茶髪。 制服はかなり着崩していて…。 昨日の彼とは、全く違うオーラを発している。 「お、雫じゃ~ん」 ケラケラと笑いながらその人は雫さんに近付いた。 「この子たち、ナンパしたんだ~」 「ちげーよ。 んなこと言ってると、また風磨に怒られるぞ?」