相模の隣に腰を下ろして紅茶のプルトップを起こした。
面食らったようにぽかんとする相模を尻目に、私はにっこりと首を傾げる。
「間に合うんじゃなかったっけ?」
「いや、友響ちゃんならいけると思うけど…」
思い出したように相模もコーヒーの蓋を開け、私は強引にその缶に紅茶の缶をぶつけた。
「じゃあよろしく。学部は今希望出してるのでいいから」
いつまでも捉われていたってしょうがない。
動き出さなきゃ。
想いだけはそのままにして
今から。
「俺、そういうのは厳しいよ?」
「覚悟しとくわ」
「誕生日おめでとう」
言いながら相模は缶をぶつけ返してくる。
「ありがとう」
校庭からサッカー部の声が聞こえてきた。
それから吹奏楽部の演奏も。
今日はスタンド・バイ・ミーらしい。
お膳立てされ過ぎな気がして、口の中の笑みを紅茶で飲み込む。

