―――― ――― 私は突然失った。 喪失という言葉でも言い表せないほどに あったはずのものがなくなったのだ。 私の世界はとまったようで なのにいつものように朝が来て、日が暮れて、お腹は空いて、眠気も起こる。 嫌でも学生という身分に引き戻されて 感傷に浸る間もなくテストや行事が訪れる。 人がどうなろうとお構いなしに それでも世界は回っている。 だから私は 彼に寄り添うように せめてとまっていたかった。