「だっ、大丈夫?」 男達は「覚えてやがれ!」なんて臭いせりふを言いながら逃げて行った。 私はすぐに少年に声をかけた。 少し怪我をしてるみたいだし。 「わあ」 少年の顔を見た。 暗い路地にある小さい街灯からでる明かりで見えた。 綺麗な黒髪。 今までに見た中でも上位に入る美形。 切れ長な目はまるでオオカミみたいで。 最初の印象は黒いオオカミだった。 「なに?じろじろ見ないでくんない」 「ごめん。すごい綺麗だったから」