あの時はまだ優衣のことを好きじゃなかったはずだ。



「俺も男なんで女が眠ってたらキスしたくなる」


「ふざけんなー!」


「あー怖いねー」



純は一目惚れだったんだろう。
それが今わかった。



「柔らかったぜ。唇」


「純。覚えてろよ」


「忘れるし」



ふざけんなー!



心の中で叫んでいる俺だった。