夜中の、ちょうど12時。

ふと、携帯が鳴った。


前日は、芳くんと公園で、……彼は寝ちゃったけれど、私は完徹しちゃったし。

眠っていなくて、逆に目が冴えちゃっていたから、これからあたたかいミルクでも飲もうと思っていたところだった。


もしや――とは思ったけれど。


案の定、芳くんからだった。


「――もしもし?」


『ああ、ララちゃん? 俺』


「どうしたの? また眠れないの?」


『今、ララちゃん家の前にいる』


「え?」


あまりにも突然の言葉に、私はうろたえた。


だって、風邪引きさんだよ?


数時間前まで、カズくんにおぶられていた子だよ?

「あんた、何やってんのよ。具合は?」


『大丈夫。遊びに来た』


「遊びに……って。バカ」

『待ってる』


そう言うと、また一方的に電話を切られた。


もう……!