空中ブランコ




「………何かあったの?」



 さよならを言っているようで不安になる





「何もないわ。
ただ私はあなたに逢えて、今とても幸せなの。そしてこれからもずっと…………だから、クジルも幸せになってほしい…。」




 笑いながらも泣きそうな彼女に、胸が引きちぎれる




「僕はキャリアがいればそれで幸せだよ。」


「…………愛してるの、クジル…」


「…………」





 初めて目にする彼女の弱さ。



 両手で彼女の頬を包む




「キャリア……」




 何が彼女を不安にさせてるのか分からないが、ストレートな気持ちに応える




「僕もだよキャリア。
何よりも君を愛してる。」


「……………っ」





 ぽつり。と、溢れた落ちる泪






「なにを恐れてるの?」




 震えている彼女を抱きすくめる




「…明日の戦いが怖い。
明日なんか来なければいいのに……ずっとあなたといたいのに…!・・・・・・・・・弱い自分が怖くなる、嫌になる・・。」


「君は強いよ。」


「強くなんかない!今だって恐怖に捕われてるじゃない!」


「………」




 声を荒げる姿を初めて見る



「君は強いよ」




 ふわり、と花を咲かせるように彼が微笑む




「強くなんか…!」


「強いんだ。…強い。」


「…………」


「君は強いよ。なにに対しても、臆さず立ち向かえる強さを持ってる。この僕にも臆さず接したじゃない…?元老員にも。バンパイアにも。あのシルディ君にも。」



「………」


「君は常に後悔しない道を選んできた。力いっぱい考えてきたんだ。キャリアは自分が考えて選んだ道に、悔いはない性格じゃなかった?」


「…………」



「それを失ってはダメだよ。キャリアしか持ってない長所なんだ。何も恐れることはないよ。」


「……………」