草を踏みしめる音
誰か確認しなくても分かる
「………ここには来ちゃダメだって言ってるのに…」
「ふふ…」
ご機嫌が麗しいのか、彼女はすごく楽しそうだ
「ここは魔界だよ?僕の隠れ家はまだしも……あまり頻繁に来ていい安全な場所じゃない。とくに君のような女性は…。」
満面の笑みを浮かべるキャリアに、思わず苦笑いになる
「あなたのお気に入りの場所のここ。
結界が張ってあったけど、私の事はすんなり入れてくれたわ。
それだけじゃなく、ここに来る道にも結界を張っててくれたんでしょ?私が安全にクジルの元にたどり着くように。」
ニコニコ笑い続ける
「念のため、だよ。」
「ふふふっ、素直じゃないんだから!・・・・こないだの傷……。」
首もとをくつろげた服から見えた傷
「もしかしなくても、キャリアだったんだ!あの時、相手の攻撃の気道が少しズレたから、気になってたんだ。」
2人が戦場で逢うのなんてしばしばあること。
「 心臓が止まるかと思ったわよ。背後からの攻撃に気付いてなかったんですもん!かと言って、私が完璧に防御するわけにもいかないから………。」
言いながら完璧にカバーしなかったことを悔やむ
「くす。バカだなぁ…僕のことを気にするから、押し倒されたんだろ?」
些か不機嫌なオーラが醸し出される……。
「やだ、怒らないでよ!あれは不意で……」
強い視線に黙る
「まったく、僕が蹴り飛ばさなければ吸血されてお持ち帰りですよ。」
「すいません………。ふふ」
「なんで笑うんだよ」
「クジル…。私はあなたに出会えてよかったわ…」
笑みは浮かべたままだが、どこか真面目に言う

