「そんなの、お兄さんを知らないあたしが、知るはずないじゃない…」




「(嘲笑うお兄さんに、あたしまで切なくなるのは、感情を操られてるから?)」





「・・・・・・・それもそうだね」


「・・・・・・」





パタン




 余りにも余裕がない悲しみの声に、メリーは叉遊漓を開くのをやめた









「………話を聞きます。」

「・・!!」





 足元を見ていた彼がパッとメリーを見る





「ありがとう」




 かぶっていたコートのフードを下ろし、切なげに頬笑む彼に心をひきつられた気がした