「破滅………」




 フアルクの不安な声




「でも、そうならないように我々がいるんですよ」




 フアルクの腕を掴み、カウディも口では言うが、それもどこか自信がない




「そうだぞ!自分が選んで歩んできた道だ!今さら恐れを再確認したって仕方ないんだ!!」




 1番力強く言えたのはスンネだった




「そうね…、彼女も敵の私達を敵とも思ってないみたいだしね。」


「そこなんだよなぁ〜!
今日も、オレが心を読もうとするのに抵抗しようと思えば出来たのに、抵抗しなかったんだよ、あの女」




 頭を掻きながら、悩ましげな顔をする




「僕も彼女の頭の中を見ようとしたら、“それで気が済むならどうぞ”って阻むのを止めたんだよね。
可笑しいよね?」




 笑いながらスンネに共感する




「流石にそれは驚いたな。フアルクが思考を乗っ取ったら、どうするつもりだったんだ…?」


「恐らく、始めから読んでたんでしょう。フアルクを含め、私達がそんな事しないって。
それも“出来ない”じゃなくて“しない”で、です。」



「・・・・・・・」




 5人の間に暫くの沈黙が走る






「あの子。
幼いなのに、不思議な子ね。」