「聖職者の要塞のこと」
「ああ、簡単ですよ。
建物周辺に結界が張ってありましたので、その結界に私が味方だと認識させたんです。」
サクっと説明したシルディにメリーの時間が止まる
「…へっ?
認識って・・・どうやって?」
「私はバンパイアでありながら、天使の力も所持してるんです。」
唖然とするメリー。
『バンパイアなのに……』
聞き飽きた大抵の方の第一声。
彼女の応答次第では、その場で消す気だった。
「(普通の人間など、求めてないですからね…)」
ひそかに魔力を高めたが、そんな必要はなかった
「天使か!なるほど!
天使は聖職者のある意味神だもんね。
そりゃあ、結界も楽々通れるわけだ…」
「(ってサラって言ったけど、聖職者が張った結界にどんな姿であっても、天敵のバンパイアの認知を覆すなんて……やろうと思って出来ることじゃないし…)」
「・・・・・・・・・」
メリーの反応に、顔の力が抜け落ちそうになる
「くっ…くく」
「えっ?なんでいきなり笑うの?」
突然笑いだしたシルディに不安になる
「ごめんなさい。あたし、なんか反応とり間違えました?」
「クク…なぜ、拉致られたバンパイアに謝るんですか。面白い方ですね…」
見当違いに笑いながらも、連れてきて正解だったと思う
「それでは、私は仕事があるので失礼します。
ゆっくり休むといい、説明は明日しますから」
メリーの頭を一撫でしてから、シルディは部屋から出ていった
1人になった今、気を遣う事は何もない。
部屋を一周見回しては、改めて自分の置かれた状況が分かる
「あたし・・・・・・・・なんちゅー生路辿ってるんだろう……」
虚しく落ちるの一欠片の言葉

