空中ブランコ





「!!!」



 寝ていた彼女の目が最大に開かれる




 と。



「起き上がれなぁーい!」



 起き上がろうと体に力を入れたが、起き上がれない





「身体が硬直してるんですよ。暫くは無理に動かさない方がいい。」




 ベットのサイドテーブルにティーセットを置いたメイドさんと、シルディにビックリする




「(気配がなかった……)」


「下がりなさい。」


「はい。失礼致します。」


 メイドが静かに頭を下げて退室する





「んっ、…冷たい」



 頬にあてられた彼の手が、ひんやりと冷たい



 無理矢理に起き上がると、お兄さんが紅茶をカップに注いだ




「随分とうなされていましたけど、怖い夢でも見ました?」


「……べつに。」




 思い出したくもないから不機嫌に冷たく返して、紅茶にミルクをたっぷり入れる



「お兄さん、本当にあたしを連れて来たんだね」


「言ったことはやるんでね。」




 シルディが話す度に背筋に悪寒が走る。



「(声が、つめたい─────)」



「それとも、手をとったこと、…後悔してるんですか?」




 ぞくぞくする目に、首を静かに降って否定する



「あたしは後悔はしないの。手を取ったのも、誘惑に負けたのもあたしだから。」



 シルディの丸かった瞳孔がほんの少し、狭まった気がした



「クッ、誘惑ですか、良い響きです」



 目元を細くして喉を震わせる




「ねぇ、どうやって城の中に入れたの?」


「城、ですか?」



 シルディがベットの端に座ったのを見て、ミルクティーを流し込み再び会話を始める