月は、緋色に輝く


私の瞳はすぐさま怪しい影を捕らえた


「なんだ。
ストーカーか、ヴァンパイアもそこまでもおちぶれてしまったのか。」


『お゙っ…オまエだな゙。
俺だちのハンダーば。』


「声帯が不完全、王ではなかろう…が。
一応問う、おまえはヴァンパイアの王か。」


『お゙でが聞いてるんだ。
じつもんに答えろ゙。』


「…カスが。」


ヴァンパイアは飛翔し、私目掛けて爪を振りかざしてきた


緋色の月の光が反射し、赤黒く異様にその爪は光る


『じね…!!!!』


本来ならその爪は私を串刺しにし、真っ赤な血を滴らせたはず


まぁ、そんなへまはしないがな


私はその爪の軌道を【気】で逸した


『!!??』


「私をなめるなよ。」