それって…
「ねぇ、待って!!送って…くれるの?」
自分よりはるかに広い背中に問いかけた。
答えが返ってくる気配はない。
下駄箱を閉め、吸い込まれるように廊下へ消える背中を追いかけた。
倍以上ある歩幅。
私の事なんか気にもしてないみたい。
「待ってってば!!」
さっきよりも少し大きめの声で呼びかけた。
―――――ドンッ――
突然、何かにぶつかった。
その何かは確かめなくても分かる。
追いかけていたアイツの背中だった。
「いったぁぁ〜〜ッッ。ちょっと…」
ハァァァーーー
私の声に被せるような大きなため息。
「お前キャンキャンうるさい。黙って付いて来いよ、……送ってやるから」
そう言ったアイツの背中は、またどんどんと小さくなっていった。
あの雨の日と同じように。
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