「あっ…うん。なんか、あの…ゴメン」
言葉が出てこなかった。
ただ小さく頷いた。
もう、顔は見れなかった。
「…っし、じゃ行くぞ」
触れた手が離れる。
アイツは背を向け昨日のように歩き出した。
私は昨日と同じように背中に声をかけた。
「ねぇ、行くって…ドコへ?」
応えるように立ち止まる。
「お前、帰んねぇの?」
振り返ってこっちを見るアイツにはさっきの面影は1つもなかった。
また意地悪な顔してる。
「いや、帰りたいけど…」
靴箱と上履きを交互に見ると言葉に詰まってしまう。
「じゃあ、来いよ?…置いてくぞ」
今度はこっちを見もせずに歩き出した。
長い廊下に後姿が溶けていく。
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