神様の悪戯




「ねぇ星野さん、一ノ瀬先生の事、好き?」


一ノ瀬…先生?……あぁぁ。

名字で言われてもピンとこない。


私の中では全て『アイツ』に変換だから。


「なっ…いきなり変な事聞かないでよ(笑)
私が、一ノ瀬先生を…?ないない」



私を待ってまで聞くことかな…?

冗談じゃない。

誰があんな奴…

好きなもんか。


余りにも可笑しな質問で思わず笑ってしまったのか気に障ったのか、
紺野さんは表情を険しくして念を押すようにもう一度口を開いた。


「…本当に?」


そのただならぬ雰囲気に気圧されてしまう。

「本当だよ?そんな事ないから…ねッ?」



その答えに納得したのか、彼女は頷いてその場を後にした。



変なの。

なんでそんな事聞くかな?

まさか、星野さんまでアイツが好きとか…

はぁぁぁーー…

みんなアイツのどこがそんなに良いの…?


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