神様の悪戯



自分の父親っていうのは確かにあるけど、世間の同年代の男の人に比べたら、うちの父はかなりマシな方だと思う。

むしろ、良い線いってるんじゃないかな?

服装にも気を遣って、月に一回はどっかのヘアサロンに通ってる。
身長も180近くあるし、私の友達の中には父のファンがいるくらい(笑)


そんな父と、どっかのお嬢様のように可愛らしい薫さん。


見た目もぴったりな2人だけど、会話する姿は子供がいるとは思えない男女の姿そのもの。



こんな2人を目の当たりにして、反対なんかできるわけない。
毛頭、反対する気はなかったけど…どっちかと言ったら2人を応援してあげたいような気にさえなってきた。



チラッと盗み見た腕時計は約束から5分しか過ぎてなかった。

元々、約束より早く着いたからか、もう30分以上経ってる気がした。


目の前に出されたお茶は猫舌の私に丁度良い温かさになっていた。


それは、含んだお茶を飲み下そうとした時だった。



¨―――コンコンッ¨



扉を叩く音がして、飲み込むのを忘れたように私はただその時を待った。




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