「はぁ」



あたしは、いつもあたしが作ってるとおりのやり方を教えているのに。


なーんであいつはああなんだろ?


てか、アレはあたしの作り方とかじゃなくて、あいつの落ち度だよね。


普通重曹と砂糖間違えるかっつーの!



私はもう1度盛大にため息をつく。




「フフ、丸山も変な奴だよねー。」




前にいる友達、桜は笑顔である。
横にいる美和子も笑っていた。

まるで2人とも、何かを知っているかのような口ぶりだ。




「何ニヤニヤしてんの?」



「別にー?」




なんかむかつくなあー。





「…あ!」




「どうしたの?」




「明日バレンタインだからさー、今日早めに帰って作んないと!」




私が時計を見ながら笑顔で話し出すと、二人はもっと深く笑った。




「何?もちろん桜と美和子にもあげるよ?」



「いえーいっ!


…ってそうじゃなーい!!」




桜がノリ突っ込みする。







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