「はぁ…っ

…っ離して…!」




「…助けてやったのに、お礼も無しなワケ…?」




下から見つめる挑発的な目線。
ああ、やっぱりわたし、この人のこと好きだ。




「…助けてくれてありがとう


言ったから…っ離してよお…!」




これ以上気持ちが大きくなる前に、離して。




「いやだね」



「なんで」




「はなしたら、逃げるでしょ」




あたりまえじゃん。


息が上がって、肩で息をする私。



それでも丸山は、私を抱きしめる手を緩めない。




そして




「…っん!!!」



荒々しげにキスをした。
いつの間にか体制は反転してて、私は手首を押さえつけられていた。




必死に顔をそらそうとしたら、歯が当たる勢いで、もう一度キスされた。










口内に、血の味が広がる。





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