ぬいぐるみに恋する少女




父さんの車の中。


俺と須川はぐっすりと眠っていた。



「フミヤ、寂しがらないかな?起きたらこの子が居ないって。」


父さんが俺の心配をする。



「大丈夫でしょ。甘やかしちゃダメだよ、男の子には。」



「アヤメは厳しいなぁ。」



「フフフッ♪今度、空手教えてあげるんだ♪」



姉ちゃんは嬉しそうに笑う。



俺は夢の中まで暖かく感じる。



左手が握られている感触がしたからだ。