「須川!」 その声に須川は気付き、受付を出る。 「どうしよう…。 施設の人が…迎えに来ちゃう…。」 「逃げよう!」 なんでそう思ったか分からない。 とにかく俺は須川を大人の手が届かない安全な場所に連れて行きたかった。 須川の目は決心をきめていた。 「行こう!」 冷たくなった手で須川の手を握る。 俺が引っ張っている須川の手は温かみがあった。