「この度は息子がそちらの娘さんに暴力をふるってしまいすいませんでした。」
母親が深々と頭を下げるのを見て、俺もそれに倣う。
「もう二度とこんなことがないように先生も指導のほうをお願いしますよ?」
橘のお母さんがさっちゃんのほうに視線を移すと、さっちゃんは慌てて頭を下げる。
橘は頬にガーゼを下を向いている。
すると、新任の先生がこの指導室のドアを開けてさっちゃんを呼ぶ。
はぁ…参ったなぁ…。
俺の斜め左後ろには杉山先生が居る。
先生は俺のこと見損なったと思ってるだろうなぁ…。
それが一番痛い。
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