ぬいぐるみに恋する少女





「最近、教室が騒がしいから行きたくない。」



あー、確かに…須川へのいじめのせいだ。




「俺も正直、教室に行きたくない。」



須川がいじめられるところを見たくない。



そして、そのいじめを止められない自分のみじめさを感じたくない。






「だけど、義務教育じゃん、俺ら。」



この言葉で言いくるめるしかないんだ。





「そう…だけど…。」



俺の裾をつかむ手に力が入る。