夢うつつ


『ガンッ!!』



わたしの手から
すべった携帯は
絨毯の無い床へ、
鈍い音をたてて落ちていった。


携帯のことなんか気にもとまらなかった。

ただ、わたしの
頭の中には南里の
言った一言だけが
何度も何度もエコーのように響いている。


言ってる意味が


わかんないよ

南里