ザ――・・・

それは雨が降っていた日のこと。

グラウンドではサッカー部が無我夢中にボールを追っていて、サッカー部のかけ声と雨の音だけが鳴り響いていた。

――――ボコッ

「フざけんじゃねーぞォラあっ!!!」

そんなグラウンドとは裏腹に野球部の部室からは鈍い音と怒鳴り声が聞こえてくる。

「-っっ・・先輩・・ごめんなさ・・」

「そんなもんで許されっとでも思ってんのかよッ!!?」

近くにあったイスを蹴り、後輩の制服を掴み上げる。

陽希は叫び、そして殴り続けた。

ボコッ――ボコッ――

「―痛っ・・」

「まだまだあめぇんだよっ!!」

陽希は無我夢中に後輩を殴った。