目を開けるとそこに彼は居なかった。 白い吐息は夜空に上る。 「嘘…やだ…」 寒いから? 声が震えた。 辺りを見回すと。 そこにはイルミネーションなんてなかった。 目の前に広がるのは、見慣れた自分の部屋。 「夢…?」 やだ…そんなの… 「そんなのやだよ…っ」 本当に、夢だったの…―?