その小さすぎる頷きさえ、彼は見逃してなかった。 「…っ」 針と針がひとつになった―… ケーキよりも甘い口づけが落とされた。 甘い、甘いキス。 「俺も。」 優しいその声が耳の奥に響いた。 少しの余韻を残して… あたしを、残して。