「美しい羽をもつ天使なんだよ。」


小さな頃から、シスター・サラは口癖のように私に言う。


「美羽がいればみんなが幸せになれる。そんな人になりなさい。」


そんな大人にはまだまだ遠い。

当分、なれそうにもないです。


「今日はゆっくり出来るの?」


「うん。」


その日、私は、シスター・サラと一緒に過ごした。

小さな、子供たちが周りに集まり、久しぶりの簡単な小物づくりが始まった。


二台ある古いミシンや、針と糸を使って。

慣れた手付きで針と糸を操る子供たち。


「美羽ねぇちゃん、ここは?」


「上手に出来てるねぇ。ここはこっちに………ほら。」


フエルトでカエルを作る優子ちゃん。


「ほんとだ!」


「いたっ。」


「やっちゃん?大丈夫?」